日経回廊が10号で休刊とは残念すぎる。
日経回廊って知っていますか?
日経新聞と日経電子版を購読している首都圏と関西圏の読者に不定期、限定で配布されていた雑誌です。
今回配布された10号で休刊とのことなのです。
何気なく読んでいて、紙が挟まっているなと思って見てみたら「日経回廊休刊のお知らせ」だなんて…。
受け取るようになって3冊目なんですけど、毎号めちゃくちゃ楽しみにしていたので、本当に残念です。
「時空を超えた知の贅沢」はダテじゃない。
「時空を超えた知の贅沢」というテーマで作られていたというのは今回初めて知ったのですが、内容はそんじょそこらの雑誌とは比べ物にならないくらい濃い雑誌だったんですよね。
「何の雑誌か」というジャンル分けができない不思議な読み物だったのですが、時空を超えた知の贅沢というのはダテじゃないと思います。
ぼくらが普段だったらなかなか興味をもって目を向けないようなことに気づきを与え、知的好奇心を満たしてくれる存在でした。
だって、普通に暮らしていて「石と宝石」とか考えないでしょ?
ネアンデルタール人まで遡って「身を飾る」とか、富や権力の象徴、愛情表現の手段、木の文化と言われる日本での石の豊富さとか…。
それを知ったからといって誰かにうんちくとして話すわけでもないんだけど、なんか「知る」ということに対してのワクワクを感じるんですよね。そんな雑誌でした。
最終号は「ホテルに暮らす」
最終号のテーマは「ホテルに暮らす」でした。
これもね、「そう来るか…」という感じの切り口で面白いんですよね。っていうか、単純に「知らないことを知る」というのがこんなに楽しいのかって思います。
ホテルをテーマにすると「もてなし」とか「サービスの質」みたなのが定番の話題だけれど、「町を編集するホテル」なんてタイトルのつけ方もいいですよね。「なになに?」って読んじゃう。
あと、面白かったのは、「ホテル暮らしの現実」という特集。富裕層がどんな感じで、どういう契約でホテルで暮らすのかってなかなか知る機会がないしね。
住民票はホテルが許可すればとれるとか。実際にホテルの住所で住民登録してる人もいるんだって。
一方で高城剛さんの記事では「持たない」ことにフィーチャーをしてみるとかね。高城さんの「アイディアは移動距離に比例する」は有名な言葉ですが、留まらないということからホテルを考える対比が面白い。
海外の著名図書館では日本文化研究の蔵書リストに加えているそうですが、扱っている内容の切り口、誌面に登場する人、デザイン性の高さなど、どれをとっても刺激的で興味深く読んでいました。
紙の質、写真、文字組やレイアウトなど、デザイン的な観点でもクリエイティブなマインドを刺激してくるんですよね。
まぁ、それだけお金がかかっているんだろうなぁと思いながら、ちょっとした贅沢感を味わっていました。
スタートが「売れるコンテンツ」という発想ではない、まさに実験的な雑誌だったなぁと思います。
WEBサイトはバックナンバーと連載含めて2017年2月末日まで読めるとのことなので、年末年始にじっくり読んでインプットしておこう。
こういうメディアがなくなるのは寂しいなぁ。
この記事を書いた人
最近の記事
- 健康2024-10-13リンゴ酢を飲んで内臓脂肪を減らしたい
- カメラ・レンズ2024-10-13Lumix G100D を使用して1ヶ月のファーストレビュー
- カメラ・レンズ2024-10-06センサーサイズの違いによるメリットとデメリット
- カメラ・レンズ2024-09-14ニコン Zfc におすすめのSmallRigレトログリップ レビュー