細田守監督「未来のミライ」をユナイテッドシネマとしまえんで見てきた感想

未来のミライ

細田守監督の新作「未来のミライ」を娘と二人でユナイテッドシネマとしまえんで見てきました。

公開翌日が夏休み初日ということもあって混んでいるかなぁと思ったのですが、それほどでもなく。客層としては大人か幼稚園くらいの子連れの家族が多かった印象です。

見に行ったタイミングと時間もあるかもしれないけれど、小中学生がほとんどいないというのは意外だったというか。

全体的には細田監督らしい楽しい作品だったのですが、見終わって娘と話してみるといろいと考えるところもありました。

アニメ映画のオープニングは主流になるのか?

未来のミライも山下達郎の主題歌によるオープニングがありました。

「君の名は。」でオープニングが流れた時にはちょっとした驚きがあったのですが、アニメ映画のオープニングは今後増えていくんでしょうか…。

大きなスクリーンに映し出されるストーリーで作品に引き込んで欲しいので、「さぁ、ここから始まりますよ」的な感じであまり好きじゃないんですけどね。

商業的な理由とかあるのかもしれないけれど、映画館で見るというのは特別な体験です。

だからこそ、ふだんテレビでも見ることができるようなオープニングはいらない。特別感がなくなったら映画館に行く理由がなくなってしまいます。

細田監督が描く世界観

家族や世代といった、細田監督らしい世界観を描いた作品だなぁというのが率直な感想です。

ただ、この映画のテーマが見えるまでに結構時間がかかるというか、伏線の描写としては長すぎるかなというのが率直な感想です。正直なところ前半はちょっと退屈。

キャラクターにコミカルな演技をさせれば子供ウケはあるかもしれないけれど、舞台が大きくかわるわけでもなく、同じ場所でのエピソードが続くので、見ていてメリハリがないというか。

後半に入って細田監督が言いたいのはきっとこういうことなんだという展開になっていくだけど、これまでの作品も含めて、細田監督が描く家族の物語は子供には若干わかりにくいかなと思うんですよね。

実際に娘に感想を聞いてみると、「ほぉ、そんな風に感じるんだ」という感じだったので、子供には子供なりの解釈があるんだなぁと改めて考えさせられました。

一口に「面白い」といっても、子供の「面白い」と大人の「面白い」は意味が違います。

感じ方や解釈が世代によって違うのは当然だけど、アニメという体裁をとっているだけで、テーマは大人に向けてられているので、それを子供にも楽しめるようにとすると、大人にとっては若干退屈に感じられたりする部分もあるんでしょうね。

小学校4年生の娘にとっては素直に「面白い」作品だったようです。

それはそれでよかった。

声優の配役は微妙だったり良かったり

見ていて違和感があったのが主人公のくんちゃんの声。

くんちゃんの年頃(4歳)の声としては完全にミスマッチでしょう…。合ってない。

ミライの役でのオーディションを受けに来たところを、監督がくんちゃんにということで採用したと書いてあったので、話題性も多少狙ったのかなぁと思ってしまいます。

星野源や麻生久美子の演技は良かったし、くんちゃんのお父さんが言われて耳の痛いことは、僕にとっても耳の痛いこと。「そうそう、そんな口調でそうんな風に言われるよね…」なんて思いながら見ていました(笑)。

意外なところでは、ひぃじぃじの福山雅治もかっこよくて良かった。

脇を固める家族の声優陣が豪華なだけに、主人公に違和感を感じたのが残念だったなぁと。

あとからじわじわくる映画なんだろうなぁ

なんだかちょっとネガティブな感想になってしまったけれど、監督の世界観というのは十分感じられる作品です。

ちょっとわかりにくいところもあるけれど、きっと、この作品もまた、あとからじわじわとくる作品なんだろうと思います。

何度でも見たくなるような優しい映画になっていくんじゃないかな。

家族の物語、世代をつなぐ物語というのは、大人はもちろんこと、子供たちも何度も見るうちに、感じることはかわってくるでしょう。

これまでの細田監督作品がそうであったように。

この記事を書いた人

BridgeBookBridgeBookJP
デジタルガジェットやカメラ、写真、文房具などが大好きなWEBプロデューサー。浦和レッズサポでもあります。