Lumix G100D を使用して1ヶ月のファーストレビュー

LUMIX G100D

パナソニックの Lumix G100D を購入しました。

フルサイズカメラをメインに使っている方なら、その重量とサイズで持ち歩くのがおっくうになることはないでしょうか。僕の場合は、猛暑で知らず知らずのうちに物欲が育っていたようです。

ただただ軽いカメラが欲しくなった

今年の夏はカメラを持ち歩くのがキツかった。暑いし重いし。汗を拭きたいし扇風機も回したい。それでもやっぱり写真を撮りながら歩き回るのは楽しい。楽しいけどツラいなぁと思いながらシャッターを切り続けた夏でした。

そして、だんだんとこんなことを考えるようになっていたんです。

街を歩いている時はとにかく身軽でいたい。撮りたいものを見つけたらカバンからカメラをサッと取り出して撮影したい。撮り終えたらカバンにしまいたい。カメラをずっと持っていると手が疲れるのはもちろんですが、撮ろう撮ろうという気になってしまいます。

とりあえず撮っておくかみたいな気持ちになるのが嫌です。街の様子や変化を感じたり、できごとに目を向けたり、自然体でいたいなぁと。

そんなことを考え始めたら、小型軽量なカメラが欲しくなってしまいました。コンデジは軽くてコンパクトでなにかと便利です。でも、やっぱりメインのカメラにはならないんですよね。

フルサイズの画質やボケ具合は捨てがたいものがあります。それでも、少しでも荷物を軽くしてもっと機動性を高めたい。その結果、LUMIX G100Dにたどりつきました。

コンパクトで軽いLumix G100Dを選ぶ

G100Dとキットズームレンズ

小さくて軽い、かつ性能も満足のいくカメラを、ということで購入したのがパナソニックのLumix G100Dです。マイクロフォーサーズのカメラを手にするのは、GF1以来です。

G100Dについてはこれまで候補にあがったこともなかったので、Youtubeなどで情報収取をして実物を見ることなく購入しました。

到着して開封した第一印象は、想像以上のコンパクトさ。そして、ややチープな材質感。正直なところ「やっちまった」と感じてしまいました。ちょっとトイカメラっぽいというか。

しかし、その感想もすぐに打ち消されました。小さなボディにギュッと詰まった性能と軽さからG100Dはすぐにレギュラーを奪取しました。カバンに入れて毎日持ち歩いています。写真を撮る日も撮らない日もありますが、カバンに入れっぱなしです。むしろ、カバンに入っているか不安になるくらいの軽さです。

当初は日々気楽に使うカメラとしてキットのズームだけで運用するつもりでした。ですが、期待していた以上の性能と使い勝手に、単焦点のレンズが欲しくなります。予定外のパナライカの15mmと25mmまで購入してしまいました。

自分の中では、今はそれくらい気に入って使っているカメラです。

使い始めて1ヶ月程たったところで、まずはファーストレビューを書いてみようと思います。

G100Dで変わる撮影体験

G100Dを手に入れて、日々の撮影体験は大きく変わりました。

街角スナップでは目立たず、気軽に撮れる

フルサイズカメラなら、大きなボディとレンズは街撮りのスナップではちょっと気が引けてしまうこともあります。しかし、LUMIX G100Dなら話が違います。

小さなボディと控えめなレンズでのおかげで、撮りたいと思った時に躊躇なくカバンからサッと取り出して撮ることができます。

道端の謎の貝殻たち

LUMIX G VARIO 12-32/F3.5-5.6 1/640 f5.4 ISO1600

また、LUMIX G100Dなら手持ちで安定した撮影が可能です。高性能な手ブレ補正のおかげで、薄暗い環境でもシャープな画像が得られます。

Timesの看板

LEICA DG SUMMILUX 15/F1.7 1/100 f1.7 ISO200

Timesの写真は粒子を入れていないので、とてもクリアです。その他の写真は現像時に粒子処理を入れています。

裏路地のスナップ写真

LEICA DG SUMMILUX 25/F1.4 II 1/250 f1.4 ISO2500

G100Dなら一日中カメラを持ち歩ける

フルサイズカメラとレンズは時間の経過とともに、肩が悲鳴を上げます。一方、LUMIX G100Dは、12-32mmのキットレンズなら、ボディやバッテリーなどを含めても413グラムなので、カメラを持ち歩いていることを忘れてしまうくらいの軽さです。

ビルの窓に反射する空

LUMIX G VARIO 12-32/F3.5-5.6 1/500 f5.6 ISO250

朝から晩まで、気軽にカメラを構えられることの贅沢さ。人混みの中でも身軽に動けて、シャッターを切れます。フルサイズカメラでは難しかったこの機動力が、日々の撮影体験をより豊かにしてくれます。

テーブルフォトもさりげなく撮れる

平日のランチや友人との食事の時にもG100Dは活躍します。お店の中でフルサイズカメラで撮るのはさすがに気が引けます。

スマホでいいじゃんという気もしますが、一眼ミラーレスでよりキレイに撮りたいと思うこともあります。

G100Dで撮ったパスタの写真

LUMIX G VARIO 12-32/F3.5-5.6 1/60 f3.5 ISO500

コンパクトなボディは、目立たずにサッと撮れます。テーブルの上に置いても場所を取りません。12-32mmのキットレンズなら最短撮影距離は20cm程度。バリアングルの液晶モニターで画角を調整しながらも撮りやすいです。

フォーカシングも高速で正確。周囲の目を気にせず、さりげなく撮影できます。

マイクロフォーサーズシステムの真価

LUMIX G100Dの特長はマイクロフォーサーズシステムがもたらす恩恵そのもの。詳しく見ていきましょう。

サイズと重量のアドバンテージ

LUMIX G100Dは、本体サイズが115.6 x 82.5 x 54.2 mm、重量約346g(バッテリー、SDカード含む)です。

例えば、APS-CのニコンZfcと比較してもサイズはこんなに違います。

パナソニックLUMIX G100DとニコンZfc

カメラを持ち歩く時には大きめのトートやリュックが定番でしたが、G100Dは身軽になれます。愛用のトバログコラボのボディバッグにも財布とスマホと一緒に収まります。

M11やα7IV、α7CIIだとこうはいきません。移動や荷物も含めて撮影体験が大きく変わるなと思います。

レンズシステムの多様性と携帯性

マイクロフォーサーズマウントは、パナソニックとオリンパスを中心に、豊富なレンズラインナップが用意されています。一番の特徴は、これらのレンズがフルサイズ用レンズと比較して小型軽量である点です。

例えば、LUMIX G100Dのキットレンズ「LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.」は、35mm換算で24-64mmをカバーしながら、わずか67gの重量です。フルサイズの同等レンズと比較すると、その差は歴然としています。

LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.

また、フルサイズに比べてレンズが比較的安価というのも大きいです。特に僕は、パナライカのレンズに魅力を感じています。15mm/F1.7と25mm/F1.4を使っていますが、ともに5万円台で新品が手に入ります。

小さくても侮れない描写力

解像度とダイナミックレンジ

LUMIX G100Dは2030万画素のLive MOSセンサーを搭載しています。フルサイズセンサーと比較して物理的な大きさは小さいものの、最新の画像処理エンジンと組み合わさることで、驚くべき解像度とダイナミックレンジを実現しています。

フルサイズの画質とはやはり違いはあるし、やはり暗所は少し苦手かなという印象です。それでも、思っていた以上によく写ります。

被写界深度のコントロール

マイクロフォーサーズシステムでは、同じ画角と開放F値のレンズでも、フルサイズと比較して被写界深度が深くなります。これは一見デメリットに思えますが、何を撮るか、どう撮るかだと思っています。

G100Dで撮った神田川

LUMIX G VARIO 12-32/F3.5-5.6 1/1300 f5.6 ISO200 -1EV

僕はG100Dであれば、周辺の情報が加わるほどよいボケ具合で撮るとか、パンフォーカス気味に撮ることを意識しています。絞りは5.6〜8くらい、シーンによっては11とか16とかで撮ることもあります。

LEICA DG SUMMILUX 25/F1.4 IIでのスナップ

LEICA DG SUMMILUX 25/F1.4 II 1/2500 f1.4 ISO200

また、F1.4といった明るいレンズを使用したり、被写体と背景との距離を意識すればマイクロフォーサーズでも美しいボケ味を実現できます。

G100D LEICA DG SUMMILUX 25/F1.4 II

LEICA DG SUMMILUX 25/F1.4 II 1/320 f1.4 ISO 400

小さなボディにこれでもかという高度な機能と操作性

DFD(Depth From Defocus)AF

LUMIX G100Dは、パナソニック独自のDFD技術を採用しています。これにより、コントラストAFでありながら、位相差AFに迫る高速なフォーカシングを実現しています。0.07秒という高速AFは、日常の撮影はもちろん、運動会やスポーツでも威力を発揮できるでしょう。

実際に使ってみると、空間認識技術(DFDテクノロジー)はすごいなと感じます。スッと合焦します。あくまで体感的な感覚ですが、ソニー機のAFとも遜色ないスピードじゃないかなと思います。

空間認識技術は、ピント位置の異なるライブ画像から空間を認識し、物体までの距離を高速で演算。画面に写るすべての被写体距離を、瞬時に算出する技術です。算出した距離情報により、一気に合焦領域までレンズを駆動させることが可能となり、AFのさらなる進化を実現しています。

4K PHOTO モード

4K PHOTOモードは、毎秒30フレームの4K動画から8メガピクセルの静止画を切り出す機能です。この機能は、決定的瞬間を捉えるのに非常に有効です。子供やペットなど予測が難しい被写体に対して威力を発揮します。

動画の中から手軽に静止画を切り出せるのは便利です。動画コンテンツのサムネを作るのにもありがたい機能です。

手ブレ補正システム

ボディ内手ブレ補正と、対応レンズの光学式手ブレ補正を組み合わせた「Dual I.S.」システムにより、最大5段分の補正効果が得られます。これにより、低速シャッターでの手持ち撮影が可能になります。しっかり構えれば夜景や室内撮影でも十分止まります。

キットズームのLUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.LUMIX G VARIO 45-150mm / F4.0-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.は、手ぶれ補正を搭載したレンズです。

LUMIX G VARIO 45-150mm / F4.0-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.
LUMIX G VARIO 45-150mm / F4.0-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.

標準ズームはともかくとして、手ぶれ補正のおかげで45-150mmも思っている以上に止まるので、望遠で撮るのも楽しくなります。

画質とISO感度も問題なし

高感度性能は、フルサイズカメラの強みの一つです。しかし、最新の画像処理技術により、LUMIX G100Dも高ISO感度での撮影に対応しています。

ISO3200で撮影しトリミング

LEICA DG SUMMILUX 15/F1.7 1/60 f1.7 ISO 3200
  • ISO3200まで:実用的な画質を維持
  • ISO6400:ノイズは増えるが、適切な露出と後処理で十分に使用可能
  • ISO12800以上:緊急時や特定の状況下での使用

実際の使用では、ISO1600までであれば、フルサイズ機との差はそれほど感じられないかもしれません。適切な露出設定とRAW現像のスキルがあれば、クリーンな画像を得ることができます。

高感度でピタッと止めるのも良いのですが、夜であれば、少しぶれているのもアリですね。

バスを撮る

LEICA DG SUMMILUX 15/F1.7 1/100 f1.7 ISO3200

また、DxO PureRAW 4のようなアプリケーションを利用するのも良いと思います。僕はノイズが目立つものについてはDxO PureRAW 3を使ってノイズを除去しています。

動画性能も抜群。音声は5つの指向性モードからも選択できる

LUMIX G100Dは、静止画だけでなく動画機能も充実しています。

  • 4K 30p / 24p 記録
  • V-LogL対応(別売のソフトウェアキーで使用可能)
  • オプションのグリップ(DMW-SHGR1)でVlog撮影をサポート

特に、OZO Audio by Nokiaの採用により、撮影シーンに合わせ、顔認識と連動して最適な音声記録ができるモードを含めた、5つの指向性モードから選択できます。

いや、これはすごいでしょ。

  • 撮影シーンに合わせて自動調整して収音するオートモード
  • 前後左右360°の広い範囲の環境音を収音するサラウンドモード
  • カメラ前方の音をクリアに収音するフロントモード
  • 画角と顔・瞳認識AFに連動して、顔の位置や人数に合わせて最適な収音範囲に自動調整するトラッキングモード
  • 撮影しながらカメラ後方の音声を収音できるナレーションモード

DJI Pocket3のようなジンバルカメラには搭載されていたりもしますが、一眼ミラーレスでも5つの指向性が選べるのはすごいです。

フルサイズユーザーにも感じられるG100Dのメリット

購入前にG100Dを調べている時に、コンパクトで軽量なカメラにこれだけの機能が詰まっているのかと驚きました。ズームレンズが2本ついて10万円ちょっとで買えるわけですから(2024年9月時点)。

  1. 「常時携帯」を可能にする軽量コンパクトさ
  2. 被写体に警戒心を与えない控えめな存在感
  3. 長時間の撮影でも疲労が少ない
  4. 狭い場所や人混みでの高い機動性
  5. テーブルフォトでもさりげない撮影が可能
  6. 予備バッテリーの携帯が容易で、長時間撮影に対応

LUMIX G100Dは、フルサイズカメラの「代替品」ではなく、むしろ「補完的な存在」として捉えるべきです。フルサイズでは難しい機動性と、十分な画質を両立させた、新しい撮影の可能性を開くツールとして位置付けられます。

G100Dで新たな撮影体験を手に入れる。より楽しいフォトライフを

LUMIX G100Dは、フルサイズカメラのユーザーにも新たな撮影体験をもたらすと感じています。僕の場合は、その小型軽量ボディによって「カメラを持っていく」という行為自体のハードルを大きく下げ、より自由な撮影スタイルが手に入りました。

眼科の前で

確かに、センサーサイズに起因する物理的な制限はあります。しかし、最新の技術とマイクロフォーサーズシステムの利点を最大限に活かしたLUMIX G100Dは、その制限を最小限に抑えつつ、フルサイズカメラにはない魅力を感じます。

RX100m7がバッテリーとメモリーを含めて約302gなので、G100Dなら、レンズ交換式のミラーレスをコンデジ感覚で持ち歩くことができます。

仕事でもプライベートでもフルサイズカメラを使っていますが、LUMIX G100Dを手に取り、新たな視点から写真撮影の楽しさを再発見した気がします。

木材屋の前で

シンプルに楽しい。

GRIIIがなかなか手に入らない会社の同僚たちもG100Dに興味を持ち始めたようです笑。

G100Dは、ふだんはフルサイズ機使っているけれど、日常使いのコンパクトなサブカメラを探している人には、ぜひとも候補に入れて欲しいカメラです。

この記事を書いた人

BridgeBookBridgeBookJP
デジタルガジェットやカメラ、写真、文房具などが大好きなWEBプロデューサー。浦和レッズサポでもあります。