「自分の仕事をつくる」 10年前に買った本を読み直す
本棚を整理していたら10年くらい前に買った本を発見しました。
日本のみならず世界中の活躍する人たちの「ワークスタイルとライフスタイルの探検報告」と銘打たれた「自分の仕事をつくる」という本です。
文庫本になったのは2009年ですが、単行本は2003年!
そんな文庫本を買ったことをすっかり忘れていたのですが、今読み返してみても内容はまったく古びていないどころか、むしろ「今こそこんな風に仕事がしたい、こんな風に暮らしたい」と思えるようなエピソードが詰まっていました。
働き方がちがうから結果もちがう
この本は独立や起業を促すような本でもなければ、ネットを駆使して稼ぐことを煽るような本でもありません。
「働き方がちがうから結果もちがう」というのは第1章のテーマです。
仕事をするとはどういうことなのか。いい仕事、面白い仕事とはなんなのか。いい仕事をしている人はどんなことを考え、どんな風に仕事をしているのかを取材によって明らかにしていきます。
登場するのは職人気質な人たちが多いのですが、共通しているのは、そこに「思い」が詰まっているということです。
いや、哲学と言ってもいいかもしれません。
今でいうところのストーリーに近いのかもしれないけれど、もっとじっとりしていて熱量を帯びている感じ。
読み進めていくうちに、10年も前になぜ自分がこの本を買ったのかを思い出し、そしてなぜ独立をしたのかをもう一度考えるようになりました。
今、僕らの仕事の仕方は「あるべき姿」があるとしたら、そこにいち早く到達するための公式みたいなものが存在するように感じることすらあります。
合理的であること、生産的であること、無駄がなく効率的に行われることを良しとする価値観の先にあるのは、極端に言えばすべてのデザインがファストフード化した、グローバリズム的世界だ。
つまり、誰がやってもだいたい同じような結論や結果にたどり着くということ。
僕はそれがつまらなくなって会社を辞めました。もちろん、それだけではないけれどね。
この本に収められたエピソードたちは、「やり方がちがえば結果も変わる」ということを思い出させてくれます。
僕の場合は10年よりももっと前のことだけれど、あの頃はどうすれば「これは俺の仕事だ」と胸を張れるアウトプットができるかを考えながらトライアンドエラーを繰り返していました。
よりよい結果を得るためには、どんなアプローチやプロセスをとればいいのか。そんなことばかりを考えていた頃があります。
自分の仕事をつくる。情熱を取り戻す。
この本では、仕事を「自分の仕事」にするためには、何が必要かを掘り下げていきます。
答えは登場する人それぞれによって違います。
業界や職種が違うとか、そういう分類ではなく、個として違う。
その一つ一つのエピソードを読んでいると、自分が何か大切なものを忘れてきてしまったのではないかという気持ちにすらなったりもします…。
日々仕事をしていると、売上がたつ仕事、割のいい仕事に気持ちがいってしまうことばかりです。
でも、そういう仕事ばかりを続けていると、いつまでたっても「自分の仕事」の数はなかなか増えていかない。この数年間はそれが悩みだったのです。
昨年は夏場からのプロジェクトに始まり、年の終わりにもいくつかの素晴らしい機会にめぐまれて、「自分の仕事」をつくるきっかけを得て情熱を取り戻しつつ一年を終えました。
今年の初めに、この本に再び出会えたのは必然なんだろうなぁと感じています。
腰をどっしりと据えて自分の仕事に集中しないとね。
僕はやっぱり仕事が好きだ
最近思うのは、自分はやっぱり仕事が好きなんだということ。
ワークスタイルとライフスタイルは実は一続きのものだと思っています。仕事が充実すれば日々の生活もまた充実したものになっていきます。
全部どこかでつながっているんです。
人生は短い。世の中のことや人のことをごちゃごちゃ言っている暇はありません。
自分の時間を取り戻し、情熱をもって自分の仕事をつくる。
これっすよ、これ。
さぁ、行こうぜ。
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